幻のクラシックブレンドウイスキー


          

原産国  :スコットランド
内容量   :750ml
アルコール度:40度
主な原料 :大麦麦芽、グレーン

メインラベルの通し番号で品質管理を行なっています。

【六人の仲間と奴らのスコッチ 】 誕生秘話

ご存知でしたか?
100年以上も昔、スコッチウイスキーの本場で、幻のブレンドとしてひそかにささやかれていた
『クラシックブレンド』のお話を・・・

1. 港町の倉庫で見つけたもの

今から60年以上も昔、1958年のスコットランドでの話・・・

エディンバラの北に、リースという町がある。
リースは古くから貿易で栄えた港町、スコッチウイスキーの本場の一つである。
その港を取り囲む様に、沢山のウイスキー貯蔵倉庫が立ち並んでいた。
これらの倉庫には時として、思いもよらない宝物が眠っていることがあった。
そしてこの話の主人公のひとり、ドナルド・スミス氏こそ、宝物を探し当てた人物だったのである。
エディンバラの実業家であるスミス氏は、その日、リーズの港の倉庫街をぶらぶらと歩いていた。そして何の気なしに一つの倉庫の前で足を止め、中をのぞいてみると、そこにはいくつものウイスキーの樽が並んでいる。
ひとつひとつ樽を調べていくうちに、スミス氏の顔には、みるみる興奮と歓喜の表情が広がっていった。


「これだ!見つけたぞ!」
スミス氏が見つけた宝物ーそれは、樽詰め後30年以上も熟成された、各地の個性的なシングルモルトウイスキーとシングルグレーンウイスキー。
しかもかなりの数の樽であった。
スミス氏が大喜びしたのも無理はない。
彼は無類の酒好きであり、スコッチウイスキーの専門家だったのだから。

2. 集まった6人の仲間たち

見つけたウイスキーのことを知らせると、さっそく友人たちがスミス氏の家にやって来た。
会社の同僚であるマッキントッシュ氏、公認会計士のペーターソン氏、保険代理業を営むドナルド氏、建築業者のモンテース氏、歯科医のミドルソン氏である。
スミス氏を含めたこの6人は、もう古くからのつき合いで、一緒にゴルフをしたり、鱒釣りや雷鳥狩りに出かけたり、競馬を楽しんだりという間柄。
お互いの気心もすっかり知れている。
そして6人のいちばんの共通点は、スコッチウイスキーが何よりも好きなことだった。
彼らは以前から、ある壮大な夢を抱いていた。
「自分たちのスコッチを、つくることはできないものか。
世界中で、ただこの6人だけが楽しめる、そんなスコッチがあったら・・・」
そこへ今回のスミス氏の発見である。
見つかったのは、シングルモルトが18種類、シングルグレーンが2種類。
それらをブレンドすれば、まったく個性的なウイスキーが楽しめる。
しかもほとんどが30年以上も熟成されているから、きっと素晴らしいウイスキーが・・・

6人の夢は、もはや目前の現実となって、彼らをせき立てた。
次に彼らがとった行動は、もうお分かりだろう。スミス氏が見つけた宝物ーモルトとグレーンの樽を、ひとつ残らず買い受けたのである。

3. よみがえるクラシックブレンド


いよいよブレンドである。
彼らは以前から親交のあったチャールズ・クレイグ氏に夢を託した。
クレイグ氏はスコッチウイスキー事業に35年以上も携わった重鎮で、1991年までインヴァーゴードングループの会長を務めた人物である。
6人がこだわったもの・・・それは100年以上も昔、地元の人々が頑固にこだわったと言われる「クラシック・ブレンド」。
伝統的にして古典的、贅を極め尽くしたブレンドと言われる「クラシック・ブレンド」は、スコッチウイスキーの香味と楽しさを極限まで追い求めた夢のブレンドとして語りつがれてきた。
そしてこの究極への6人のこだわりは、とうとう実を結んだのだ。

”モルト65%、グレーン35%”
今日のブレンドの常識をくつがえした、この贅沢なモルト比率こそ、6人が追い求めた夢のスコッチウイスキーへの解答だった。
それはまさしく、クラシック・ブレンドの再現であった。

4. その名はシンジケート

「やった!」
「ついにやったぞ!」
「俺たちだけのウイスキーができたんだ!」
彼らは口々にそう叫び、抱き合い、祝福しあった。
再現されたクラッシック・ブレンドは、初めて目にする高貴なマジックであり、エレガントにして上品、芳醇であり、しかもそれぞれのシングルモルトが見事に調和して円熟の深みに至った素晴らしいものだった。

「俺たちはシンジケート(仲間)、このスコッチの名前はシンジケートだ!」
「1958年に6人の仲間がつくったスコッチ、シンジケート58/6という名前はどうだ!俺たちのスコッチ、シンジケート58/6!」
こうして、6人の仲間だけの秘密のスコッチ『シンジケート58/6』が誕生したのである。
仲間の一人が18世紀風のバーガンディボトルを探し、門外不出を決め、ただひたすら6人だけがひそかに愉しむ「奴らのスコッチ」となっていったのである。

5. そして40年が過ぎて

6人の仲間とクラシック・ブレンドの歳月は、ひそかに過ぎていく。
けれど噂は、いつしか広まるもの。
秘密にしていたスコッチは、しだいに世間に知られるようになり、その神秘的なマジック・ブレンドは地元のスコッチ通の間でも垂涎の的となっていった。

ここに、ひとりの重要な人物が登場する。
ウォーレス・ミルロイ氏。
スコットランドで生まれ、シングルモルトの世界的権威である彼は、驚くべき博識をもった鑑定家として知られている。
そのミルロイ氏がただ1本選び抜いたブレンデッドウイスキーこそ『シンジケート58/6』である。
日本へは、1991年、かねてから親交があったオザキトレーディングに紹介したのがはじまりである。

チャールズ・クレイグ氏による秘伝のレシピは、ホワイト&マッカイ社伝説のブレンダー、リチャード・パターソン氏へ、その後はベンリアック蒸留所のマスター・ブレンダー、ビリー・ウオーカー氏へ、そして2018年より1958年の「5人の仲間」の1人であるキーパーソン、アリステア・マッキントッシュ氏へ粛々と受継がれている。
6人の仲間たちの夢は長い時間と遠い海をこえ、いま、あなたのそのグラスの中に・・・
“Tak aff you dnam”(乾杯)

ウォーレス・ミルロイ氏によるテイスティングノート


深い黄金色を帯び、キラキラ輝くマホガニー色。

香り
究極のエレガント。
 ソフトで円やかなスペイモルトが見事に調和。
 完熟した芳醇で豊かな熟成香が楽しい。
 豊かな個性と育ちの良さが、すぐれたハーモニーを奏でる。

味わい
それぞれのクラシックモルトが魅惑的な個性をゆっくりと表現し、いくつもの香味が優雅に踊る。
長く、そしてエレガントな後味。
この卓絶したブレンドを生み出したのは、まさしく時間であろう。
ゆっくり、ちびちびと・・・・。

まずは、ストレート、又はオン・ザ・ロックでお楽しみ下さい。

ウォーレス・ミルロイ氏から、日本のお客様へのメッセージ

スコットランドのロマンティックな首都エディンバラは、科学や文化における多くの興味深い発見がなされた場所です。
古くからの港町リースには、思いがけない宝物がたびたび見つかる古い倉庫があります。
1958年、エディンバラに住むドナルド・スミス氏は、ウイスキーの樽を調べているうちに、30年以上も熟成された、18種類以上ものシングル・モルトウイスキーとシングル・グレーンウイスキーのストックの山に出会いました。
スミス氏と5人の仲間はそれらの樽をすべて買取り、著名なブレンダーに依頼し、グレーンウイスキー35%、シングルモルト65%使用したクラシック・ブレンドをつくり、それを18世紀風のグリーンボトルに詰めたのです。
そのウイスキーは門外不出で自分たちだけのものとしましたが、神秘的なブレンドを賞味したいというたくさんの人々の要望が寄せられ、そして今、日本のスコッチ愛好家の方々にもこの芳醇で豊かな味わいを是非確かめて頂きたいと思います。
「シンジケート58/6」こそが、ブレンデッドウイスキーをいかにして味わうべきか、また事実、ブレンデッドウイスキーが遠い昔にいかにして飲まれていたかという神秘的な問いへの答えです。
それは未熟なモルトが使われていた時代よりももっと昔の事実です。
「シンジケート58/6」は数少ない正統派のスコッチであり、100年以上も昔にスコットランドの人々が頑固にこだわったウイスキーの飲み方そのものなのです。
私は大きな誇りと自信をもって日本の皆様方へご紹介し、このウイスキーを捧げたいと思います。
“Tak aff your dram !”  乾杯!




ウォーレス・ミルロイ